税理士の菅野です。
菅野真税理士事務所には、税理士スタッフだけではなく、会計業務1年生のスタッフも在籍しています。
仕事の傍ら、私のお手伝いをしながら業務を勉強してもらっていますが、そんなスタッフから受けた質問や伝えたことも発信していけたら面白いかなあと思い、ブログに挙げてみました。
…というわけで、今回は「値引きと割引き」との違いです。
「値引」と「割引」は会計上は意味が違う!
ある日のこと。
「顧問契約を結んでいるお客様への作業は20%分代金を安くしたいなぁ」
と思い、スタッフにその旨を伝えて見積書の作成を依頼しました。
作成された見積書の金額内訳には「見積額より20%割引 -20,000円」との記載。
実は会計上の表現では「割引」ではなく「値引」と記載するのが正しいのです。
スタッフ
「値引」と「割引」、どちらの言葉も同じように使っていました!
どちらも料金を下げるということだと思いますが、この違いって何でしょう?
値引きとは
「値引き」とは、商品の品質や不備などを理由に料金を安くすること。
販売側が在庫商品を残さないための戦略としての値下げは「値引き」といいます。
【例】
・夏が終わったら水着やビーチ用品の価格を大幅に下げる
・見た目が良くなく、サイズにばらつきがある果物を訳アリ商品として安く販売する
ちなみに今回作った見積書はサービスの品質の問題ではなく、長い付き合いの顧問先様へのサービスとしての料金の引き下げでしたが、これも「値引」となります。
この場合は正確には「出精値引き」という言葉になります。
では、割引はどうでしょう?
割引きとは
「割引き」とは支払期日よりも早く支払ってもらう場合に、その見返りとして商品やサービスなどの料金を安くすること。
「すぐに代金を支払ってもらえたら販売側としては資金が増えるのでありがたい!
お礼に後払いであればかかっていたであろう利息分の金額を安くします。」
という背景で取り扱われるものとなります。
「割引き」は「値引き」と比べて条件が限定されていますね。
割戻しとは
「割り戻し」とは、取引する商品の量が多いことを条件に、その代金を安くすること。
会計上の取引には「割戻し」という言葉もあります。
リベートやボリュームディスカウントとも言います。
スタッフ
仕訳の処理でもそれぞれ意味合いを考えて記入していかなければならないのですね!
勉強になりました!
まとめ
似たような言葉でもよく調べると全く意味が変わってきますね。
プライベートの雑談はともかく、会計の話をするときには誤解を招かないよう正確な言葉を使うように気を付けています。
なお、厳密な会計処理では、その取引の条件によりに異なりますので、ご不明点については税理士にご相談ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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