税理士の菅野です。
今年もあと少しで令和5年が終わりますね。
この時期になると、年末調整の準備をしている事業主は多いのではないでしょうか。
今回は「年末調整」について説明したいと思います。
年末調整とは?
事業主が従業員に代わって従業員の1年間分の所得を計算し、所得税額を確定させる制度が「年末調整」です。
毎月の給与や賞与から引き去られる所得税額は概算値なので、この年末調整で確定した年税額と、概算値の差額を本人に還付(または本人から徴収)して精算します。
基本的には、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している全従業員が対象となりますが、年間の給与収入が2000万円以上あるなど、一定の場合には年末調整はできません。
年末調整の流れ
年末調整の流れを簡単に説明すると、毎年10-11月ごろに、以下のような手順で作業しています。
【年調書類】
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
・給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
その後、社会保険や生命保険料、前職の源泉徴収票、住宅ローン控除の資料とともに事業主に提出します。
年末調整にかかる所得税の計算
一昔前まではすべて手で計算していた年末調整ですが、今では、年末調整用のソフトがたくさん誕生しています。
基本的に、そのソフトに、給与・賞与の額、家族の情報、社会保険料、生命保険料、その他受領した情報を漏れなく入力することで、年税額と徴収過不足額などが自動で計算される仕様です。
また、その金額を従業員の給料の支払うタイミングで精算し、源泉徴収票を交付するのもソフトでできるようになっています。
※一人別源泉徴収簿や「年調書類」は、事業主が保存しなければなりません。
それは、税務調査では、必ずこれらの書類を確認されるため、きちんと保管しておきましょう。
ここまでは、従業員の方も知っている方が多いいと思いますが、事業主の方はまだまだ続きがあります。
年末調整後に提出すべき書類
法定調書合計表⇒税務署
「法定調書合計表」に年末調整の結果を記載した一定の要件を満たす方の源泉徴収票などを添付して、1月31日までに所轄税務署に提出します。
給与支払報告書⇒市町村
給与を支払っている全従業員(事業主を含む)の住む市区町村に対して、1月31日までに「給与支払報告書」を提出します。
給与支払報告書とは、個人別明細書と総括表(事業所全体の個人別明細書の総括)の2つの書類から成ります。この給与支払報告書をもとに、各自治体が住民税を計算します。
ここまで終わって年末調整業務が完了します。
今回は年末調整業務の概要を説明しましたが、従業員が多ければ多いほど大変な作業となるため、早めの準備をおすすめします。
まとめ
今年、開業したばかりなので、今年の年末調整業務量は少ないと油断していたところ、今年から300人程度の年末調整業務を受けることになりました。
300人・・・
しかも高齢な方たちばかりで、最近はやりの従業員がスマホで入力!
・・・なんてことはできず。
まずは、年末調整システムに300人も社員情報や給与情報を、今あるデータ(給与システムからエクスポートしたデータ)を駆使して年末調整用のデータを整えるところから始まります。
私が得意とするデータの扱い能力で、華麗に終わらせたい。
でも、最後の保険料控除などの所得控除は紙を見ながら手入力なんですよね~。。。
顧問先の期待に応えるべく頑張ります。
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